特別ゼミでは毎年、大学外部の研究者を演者としてお招きし、最新の研究にまつわるお話をして頂いています。研究者の方の最先端のお話を聞くことができる貴重な機会ですので、小池、赤坂、岩井研究室以外の方も奮ってご参加ください。詳細は以下になります。
[要旨]外来種の導入は生物多様性喪失の主要因として世界中で問題となっている。しかしこれまでの研究は、在来種の個体数や分布の変化といった生態的影響を評価したものがほとんどであり、在来種への進化的影響はほとんど明らかになっていなかった。1979年、奄美大島に外来捕食者であるマングースが侵入し、その強い捕食圧により在来種が激減した。発表者は、この強力な捕食圧が自然選択として働き、在来カエルの行動や形態に急速な進化的変化が起きている事を予測し、検証した。その結果、マングースによる強い影響を受けた地域のカエルは警戒心、後脚長、持久力が高まっている事がわかった。これらの結果は、侵入から40年以下というわずかな時間で外来マングースによって在来種の形質までも進化的に攪乱されていることを示唆する。