大学院 生物システム応用科学府 生態系型生産システム教育研究分野
農学部 地域生態システム学科 土壌生態管理学教育分野
1.「太陽熱消毒と温湯処理を核とした省力的なレンコン土壌病害虫防除体系の確立」
2.「農業産業化ジャパンクオリティ?システム形成に向けたスマートSCM融合基盤の開発」
3.「養豚排水処理と多収(飼料)米生産の環境低負荷型コベネフィットシステムの構築」
4.「ミャンマー国の主要な農作物における植物寄生性線虫の生息状況と被害度調査」
5.「大学固有の生物資源を用いた放射性元素除去技術、バイオ肥料?植物保護技術開発」
6.パーム油抽出残渣の資源循環利用に関する研究
7.サトウキビ圃場に生息する植物寄生性線虫の網羅的定量法の開発
8.キクに被害をもたらす重要線虫の定量技術の開発と要防除水準の確立
9.サトウキビに被害をもらたす重要線虫の定量技術の開発と要防除水準の確立
10.効率的な土壌病害防除に向けたメタゲノム土壌診断の導入
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1.「太陽熱消毒と温湯処理を核とした省力的なレンコン土壌病害虫防除体系の確立」H23~H25年度
農林水産省 新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業 分担
研究内容:
土壌のメタゲノム情報に基づいた土壌病害虫診断法の開発。レンコンの主要な病害虫であるレンコンネモグリセンチュウ(Hirschmanniella diversa)、腐敗病菌(フザリウム菌、ピシウム菌)の土壌中密度を特異的に検出する技術を開発し、各病害虫に対する要防除水準を設定する。
2.「農業産業化ジャパンクオリティ?システム形成に向けたスマートSCM融合基盤の開発」H24~H25年度
NEDO IT融合による新社会システムの開発?実証プロジェクト/(農商工連携分野) 分担
研究内容:高品質野菜を生産するための土壌条件について明らかにする。
3.「養豚排水処理と多収(飼料)米生産の環境低負荷型コベネフィットシステムの構築」H23~H25年度
環境省?環境研究総合推進費 分担
研究内容:養豚排水の飼料米やコムギへの肥料効果やその際の総合的な環境負荷、ならびに土壌の各種性質に及ぼす影響を明らかにする。
4.「ミャンマー国の主要な農作物における植物寄生性線虫の生息状況と被害度調査」H23~H26年度
文部科学省科学研究費 基盤研究(B)(海外学術調査) 代表
研究内容:
ミャンマーは輸出金額の5割以上を農産物が占める農業大国である。主要な輸出作物はマメ類、油糧作物(ゴマなど)、コメであり、これらの安定かつ持続的な生産がミャンマー国の発展には欠かせない。ところが、これらのいずれの作物においても植物寄生性線虫の被害が生じ始めている。近年、応募者らは各種の植物寄生性線虫を土壌から直接定量する方法を確立した。これにより正確?迅速な線虫定量が可能となった。そこで、マメ類、ゴマ、イネにおいて植物寄生性線虫の生息状況と作物被害の程度を見積もることが本研究の目的である。
5.「大学固有の生物資源を用いた放射性元素除去技術、バイオ肥料?植物保護技術開発」H24~H28年度
文部科学省特別経費 分担
研究課題:地域資源活用型トマト栽培法の開発とバイオ肥料の病害虫に及ぼす影響
研究内容:
第1の目的は福島復興支援研究を目指した、地域の資源を活用したトマト栽培に関する研究である。二本松の農業法人では減農薬減化学肥料栽培を行っており、積極的な有機物施用が行われている。そうした栽培システムでは、各種の土壌病害に対して抵抗性を有していることが期待される。そこで、全国3位の生産量を誇るトマトを取り上げ、トマトの重要病害である萎ちょう病および根腐萎ちょう病に対する抑制効果を他の土壌と比較する。抑制効果が認められた場合には、その抑制メカニズムの解明、他の土壌への効果的な適用法の開発を目指す。一方、トマト栽培では養液栽培が主要な栽培法の1つである。そこで、今後排水基準が強化されるためその処理が課題になると想定される豚糞尿を取り上げ、豚糞尿を肥料源としたトマトの養液栽培システムの確立を目指す。第2の目的は、農工大で開発したバイオ肥料の副次的効果として、ネモグリセンチュウに及ぼす影響を明らかにすることである。TUAT1株は、イネの根張りを促進することで養分吸収を促進し、収量増加をもたらす。根の伸長促進は、根に感染する病害虫の増殖を促進してしまう可能性も危惧される。日本の水田ではイネネモグリセンチュウ(Hirschmaniella oryzae)による収量低下はほとんど報告されていないが、世界を見ると、1-2割の減収をもたらす例がある。そこで、本課題では、TUAT1株のネモグリセンチュウに及ぼす影響を明らかにする。
7.サトウキビ圃場に生息する植物寄生性線虫の網羅的定量法の開発
センチュウが植物に及ぼす病害は広く存在するが発生の予測が困難であったため、予防的に土壌燻蒸等が行われ、農地、環境への大きな負荷をかけてきた。これまでの不正確な線虫測定法に代わる画期的な線虫測定法を開発し、実験圃場規模で実証してきた。本研究ではその診断法を大東島という広いフィールドでの実証に展開し、センチュウと収量の相関性を研究する。この研究により「島のセンチュウ診断」を確立し、島全体での収量を上げることを目指す。
8.キクに被害をもたらす重要線虫の定量技術の開発と要防除水準の確立
9.サトウキビに被害をもらたす重要線虫の定量技術の開発と要防除水準の確立
10.効率的な土壌病害防除に向けたメタゲノム土壌診断の導入
サツマイモとニンジンに対する主要な病原菌(サツマイモではネコブセンチュウ、立枯病菌、つる割病菌:ニンジンではネコブセンチュウ、ネグサレセンチュウ、菌核病菌、軟腐病菌)を土壌のメタゲノム情報に基づき定量する技術を確立し、1点3000円で実施可能とする。また、これらの作付け前土壌の密度と収穫時の線虫被害度との関係から要防除水準を作成する。