活動報告
2013年10月17日—18日 FOLENSセミナー 富士山実習
2013年10月17-18日、国際環境農学専攻と合同でフィールド実習に行きました。実習では、世界文化遺産に登録された富士山の周辺の文化と自然環境の管理とそれらの保全について学ぶことを目的としていました。
最初に訪れたのが、山梨県富士吉田市にある、環境省自然環境局生物多様性センターでした。センターでは、業務の説明を受け、併設されている展示室を見学しました。このセンターで収集、管理また発信される自然環境や生物多様性に関する情報は、自然環境の変化とともに、危機に追い込まれている日本のユニークな生物たちによる多様性を保全するために様々な分野で役立てられていることを学びました。
次に同じく富士吉田市にある、富士山レーダードーム館と富士吉田市歴史民俗博物館を訪れました。富士山レーダードームには、1965年から1999年まで、富士山頂で35年間気象観測を行っていたレーダーが展示されていました。天気予報や災害の防止に寄与した、富士山レーダーは日本の気象観測の象徴であり、この施設を訪れることで気象観測の大切さを学ぶことができたと思います。また歴史民俗博物館では、世界遺産に登録された富士山との関わりの中で形成された独自の文化を学ぶことができました。当時は人々の信仰の対象であった富士山への信仰登山から現代の観光登山への変遷などを解説員の方に説明していただきました。
2日目は、フォレストアドベンチャー富士で、自然共生型アウトドアパークにおける自然利用と環境教育について、実際に体験しながら学習しました。その後、西湖いやしの里根場を訪れ、富士山における防災と自然環境保全について学びました。昭和41年の台風で大きな被害を受けたこの地域では、残された住民は集落ごとこの土地を離れざるをえませんでした。この災害を受けて、早めに確実な避難を行うためのハザードマップや情報伝達網の整備、減災のための砂防設備の必要性が教訓としてその後の対策に役立てられています。
世界遺産に登録され、新たに注目を集める富士山ですが、それを取り巻く環境や異なる視点から学ぶことで、富士山を再び見つめなおすよい機会になったと思います。
(YK)