活動報告

2012年7月3, 18, 24-26日 農村社会調査実習(水俣)

全参加学生?教員による報告書をこちらからダウンロードできます(計6.22MB)表紙 報告書本体

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「農村社会調査実習」は、FOLENSが提供する国内実習の一つとして、今年度初めて開講しました。学生17名が参加し、本学国際環境農学専攻教員の山田、及川、FOLENS教員の二ノ宮リムが担当しました。

これまで、FOLENSでは、土壌や水質などの環境計測や廃棄物処理などの環境技術をテーマとした国内実習を実施してきましたが、本実習は、環境問題を理解し対策に取り組む上で欠かせない「社会と人」の理解に焦点を当てるものです。本実習では、まず、たった数日の実習期間中にある現場の「社会と人」を理解できると考えるのはおこがましいという認識から、それよりも、実習を通じて学生らが訪問先の人々や社会から学びながら、人や社会を理解することの難しさと重要性を体感し、必要な姿勢や視点を身につけることこそが目指すべき到達点であろうと考えました。

初年度の実習地として、水俣を訪問させていただきました。水俣は、日本が経験した最も深刻な公害問題の地であり、またその経験にもとづく様々な取組から現在は先進的な環境都市として知られます。将来、アジア?アフリカ地域の環境リーダーとして活躍することを目指す本プログラムの学生にとって、こうした経験を持つ水俣の社会や人々から学ぶことは、大きな意味を持ちます。さらに、水俣には「地元学」という地域と人を理解するための注目すべき取組があり、これは厳しい水俣病問題からの立ち直りにつながる取組でもあります。本実習では、水俣の社会と人々の経験に学びながら、「地元学」のプロセスを体験し、人や社会を理解するための姿勢や視点を身につけるという重層的な学習をできるだけ実現しようと、2回の事前学習に続く3日間の訪問期間中、水俣の様々な方々にお世話になりながら、大変密度の濃い実習を行いました。特に、水俣地元学の提唱者でおられる吉本哲郎氏には大変重厚なお話とご指導をいただき、全体コーディネートをお引き受けいただいたグリーンスポーツみなまたの小里アリサ氏には大変きめ細かい調整とアドバイスをいただきました。ほかにも、様々な方々に貴重なご経験に基づくお話をお伺いしました(下記日程表参照)。

現在、実習中の詳細な状況と、参加学生、教員の報告をまとめた報告書を作成しており、11月上旬に完成予定です。完成次第、ウェブサイトでも公開しますので、ぜひご覧ください。(SN)

i.事前講義
日時:2012年7月3日(火)16:30-18:00(5限)
場所:bet36体育在线_bet36体育投注-官网网站@府中キャンパス 本館22-A
内容:
水俣実習の背景に関する講義?ビデオ上映
- 水俣病~歴史と背景
- 水俣地元学(Participatory Community Study)~なぜ?なに?
学生発表のグループ決定

ii. 学生発表
日時:2012年7月18日(水)13:00-14:30(3限)
場所:bet36体育在线_bet36体育投注-官网网站@府中キャンパス 2号館N103
内容:
学生による発表~アジア?アフリカ地域の公害と人々や社会に対するその影響
- 中国?内モンゴル
- タイ
- アフガニスタン
- ウズベキスタン
- モザンビーク
水俣実習の概要

ii. 水俣実習
日時:2012年7月24日(火)~26日(木)
内容(詳細は次のページ):
1日目~水俣病について学ぶ?資料館
2日目~地元学研修?吉本哲郎氏による指導
3日目~地元学研修ふりかえり
現在の水俣を学ぶ?JNC訪問


水俣実習スケジュール(時間はおおよそ)
7月24日(火)
時間 活動 講師
10:00 熊本空港より水俣へ移動(バス) 、水俣研修オリエンテーション?地元学講話 吉本哲郎氏(地元学ネットワーク主宰)
11:30 水俣着/昼食(たけんこ)  
12:20 少林寺道場に荷物搬入  
12:30 市立水俣病資料館見学 小里アリサ氏(水俣自然学校)
13:30 水俣湾埋立地親水護岸見学 小里アリサ氏
14:00 親水護岸出発  
14:15 水俣病センター相思社着、水俣病事件の概要と市民の取り組み 遠藤邦夫氏(水俣病センター想思社)
16:15 相思社出発  
16:30 茂道着?杉本雄さんのお話 杉本雄氏(杉本水産?水俣病資料館語り部)
18:30 茂道出発  
18:50 少林寺道場着  
19:30 夕食  
20:00 水俣の印象のまとめ?翌日のスケジュール説明?班編成?地元学講話 吉本哲郎氏
22:00 入浴?就寝  

iii.水俣実習
7月25日(水)
時間 活動 講師
7:00 起床?朝食?そうじ  
8:30 地元学の進め方説明  ?あるもの探しについて:何を調べ、どのように行なうのか確認 ?地元の方、リーダー紹介 地元学リーダー: 天野浩氏(天の製茶園?水俣市環境マイスター) 井上克彦氏(竹細工職人?水俣市環境マイスター) 遠藤邦夫氏?満島朋子氏?木下氏(水俣病センター想思社) 竹下昭博氏(水俣市立水俣病資料館) 池崎氏(水俣市役所) 福井隆氏(農工大客員教授) 吉本哲郎氏
小里アリサ氏
9:00 班ごとに分かれて明神に住む人たちの聞き取り 吉永理巳子氏?大矢ミツコ氏?嶋田とし子氏 前田和昭氏  
12:00 昼食  
13:00 絵地図づくり?こうなったらいいなの提案 吉本哲郎氏?リーダー
18:00 絵地図発表、留学生の母国の公害問題の発表? 吉本哲郎氏?地元の方々            
20:00 夕食(地元の方々とBBQ)?入浴  
22:00 就寝  

7月26日(木)
時間 活動 講師
7:00 起床?朝食  
8:30 振り返り~一日目と二日目で思ったこと、気づいたこと、驚いたこと。これからしたいこと、自分の地元や自国でどう活かすかなど 吉本哲郎氏
小里アリサ氏
10:45 講評 吉本哲郎氏
11:00 道場片付け 市立水俣病資料館へ絵地図贈呈 小里アリサ氏
12:00 出発?昼食(たけんこ)  
13:30 JNC(前チッソ)株式会社 講義?見学  
15:30 出発  

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